――メビオは大阪の医学部予備校として、今年で創立45年を迎えます。まずは、西日本を中心とした医学部受験の近況を教えてください。

 

　首都圏の大学では問題量が多く、ほとんどが穴埋め形式で、処理能力が問われる出題が中心です。一方、近畿地方を中心とした西日本の大学では記述式が採られ、表面的な学習では通用しにくいという特徴があります。私立大学が充実している首都圏と比べて国公立大学の比率が高いので、国公立大と私立大の両者を視野に入れて学ぶ受験生が多いと言えるでしょう。

 

 

――そのような受験事情の中、どのような指導をされていますか。

 

　まず、メビオの学習システムは、１クラス平均７名の少人数制で、１コマ３時間半の授業です。表面的な学習でなく、自ら考える力を養い、学びの土台を築くことで、自分の力でゴールまで走りきれるよう指導します。

 

――１コマ３時間半の授業は長いようにも感じますが。

 

　決して長くは感じません。生徒がただ聞いているだけの授業ではなく、自分で頭と手を動かして実際に問題を解く時間が設けられているからです。また、問題を解きながらその場で質問もできるので、他の生徒の気づきにもつながります。これは個別指導にはない大きな利点です。

 

――生徒に質問させることにこだわりがあるようですね。

 

　はい。自分の疑問を言語化して説明することで、頭の中で問題が整理され、疑問点解決の糸口をつかめることもあります。そのため、授業中はもちろん、授業外の時間も気軽に質問できる環境を整えています。授業中に質問をしない生徒でも、「理解できていないな」という表情の生徒を専任講師が見逃しません。講師室はオープンスペースになっており、出入り自由で質問しやすい雰囲気が保たれています。

 

――クラス分けはどのように行っていますか？

 

　少人数制の利点を活かし、生徒一人ひとりのタイプをよく把握した上で、得意科目・苦手科目や学力傾向の近い生徒を同じクラスに編成します。自然とライバル心が生まれ、甘えが出にくくなる一方で、その一方で仲間意識も芽生え、苦しいときには互いに支え合いながら、全員で合格を目指しています。

 

――入試が終わるまで授業を続けると伺いました。

 

　たいていの予備校は、共通テストをゴールとし、１月で教科指導を終え、以降は面接対策中心となりますが、私たちは共通テストをスタートと捉え、「ここからが勝負」と考えています。受験期は生徒が最も成長する時期でもあるため、メビオは後期試験終了まで授業を続けます。

 

――入試当日に出す「解答速報」の速さと詳しさは、高く評価されていますね。

 

　受験を「受けっぱなし」にしないためです。同じ問題が別の大学でも出題されることもあるため、問題を入手できる大学についてはすべて「解答速報」を作成し、当日のうちに受験生へ配布して復習してもらいます。また、テキストは毎年改訂し、最新の入試問題を反映させています。

 

――近年は推薦入試でも大きな成果を上げていますね。

 

　２０２５年度入試では兵庫医科大の学校推薦型選抜・総合型選抜で10名が最終合格を果たしました。推薦入試は、大学ごとに求められる力が異なりますが、メビオは長年にわたり多数の合格者を輩出してきたので、実際に受験してきた人たちからの聞き取り情報が多数あります。これらの情報をもとに、入試内容を詳細に分析し、対策に生かせる点が強みです。ただし、推薦は学力が高くても合格できないことがあります。推薦入試を受験する場合も、一般入試を目指した勉強をおろそかにせず、万一合格できなくても気持ちを切らさないようにすることが大切です。

 

――最後に、受験生や保護者の方々にメッセージをお願いします。

 

　医学部受験で培った勉強の習慣や考える力は、医学部に入学後も生きる力として活用できます。メビオは、困難に直面しても突破できる力を身につけることを大切にしています。本質をつかむ力を養い、医学部合格への確かな道を、メビオで歩みましょう。