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医学部 塾・予備校活用ガイド

2025.06.16

【富士学院】
学力向上に終わらない
「良医を育てる」教育で、
未来の医療に貢献する

18歳人口減によって大学の受験者数は減少傾向に あるものの、依然として人気の高い医学部受験。そ の厳しさは衰えない。そんな中、医学部専門予備校 として、大学医学部や、全国の進学校からも信頼が 厚い富士学院。毎年高い合格実績を育む背景にどん な教育があるのか村田慎一学院長にうかがった。

医学部予備校 富士学院<br>村田 慎一 学院長 医学部予備校 富士学院
村田 慎一 学院長

新課程入試初年度も 過去最高の合格実績を達成

―毎年、過去最高の合格者数を更新してきましたが、2025年度入試の結果を教えてください。

 

 2025年度の医学部医学科入試では、延べ666名が最終合格を果たし、今年度も過去最高を更新しました。医学科専願者の実数は663名で、そのうち395名が合格し、実数での最終合格率は59・6%で、これも過去最高を更新しました。2024年度が58・4%、2023年度が58・0%ですので、毎年2人に1人以上が医学科に合格しています。新課程入試の初年度ということで、指導する側としてもしっかり準備をして対応した結果です。共通テストの平均点が上がっていますが、新課程入試の初年度としては想定内。むしろ来年度の入試がその反動で厳しくなるかもしれないので、それを見据えた指導を行っていくつもりです。

 

―具体的にどういう指導でしょうか?

 

 共通テスト導入以降、問題量が増加し、読解力が求められています。そのため、問題文を正確に読み取る力の育成に力を入れています。また、丸暗記ではなく、教科毎の原理原則を理解し、基礎力を固めたうえで応用問題に取り組み、思考力を磨いていくことが大切です。さらに、スピードも重要で、現在の入試は、時間内に解ける人と解けない人を振り分けています。特に、現役生は過去問を時間無制限で解きがちな傾向があるので、日頃の学習から時間を意識し、演習問題を制限時間内に解く習慣を身に着けていきましょう。

 

―読解力が必要ということですが、医学部志望者には国語が苦手な人が少なくありません。

 

 入試で必要な読解力を身につけるためには国語の力が不可欠です。富士学院では、その国語力をつけるために年間を通して全生徒が小論文の授業を受講しています。現在の医療や社会の出来事を学び、論述のトレーニングを通して、自然と国語力が身につくことにつながります。授業を聞く力、ノートをまとめる力、答案を書く力、さらに医学部受験の面接で自身の考えを適切に伝える力も備わってきます。その他、富士学院独自の取り組みとして、毎朝授業前に新聞記事の要約や感想を書く「新聞視写」を行っており、この事も読解力の強化につながっていると思います。

生徒一人ひとりに担任講師と担当教務が付き、指導する各科目の講師と共に「チーム」をつくり、課題点や指導方針を共有し、指導を行います。

人間的な成長を促し 医師になる「自覚と覚悟」を育てる

大学からのご依頼を受け、医学部や医科大学のオープンキャンパスで入試対策講座を行っています。

―他にも医学部受験に必要なことはありますか。

 医学部入試は「就職試験」でもあり、医師を目指すうえでは学力だけでなく、人間性も問われます。だからこそ、すべての医学部入試で面接試験が行われ、医師になるのに相応しいかどうかが判断されるわけです。そのため、富士学院では面接指導を大事な取り組みとして早期から行っています。徹底しているのは「なぜ医師になりたいのか」という本質的な問いかけです。医師は生涯勉強し続けなければならない職業です。「医師になる覚悟」がなければ、受験勉強はおろか、医学部に進学してからも、医師になってからも勉強し続けることはできません。先ほど触れた新聞視写の取り組みも、人間性の涵養につながる貴重な機会になっています。医師としての土台は、一朝一夕で身につくものではありません。この日々の積み重ねが医師になる自覚と覚悟を促すことにつながってくると信じています。

―実際に医学部に入学した生徒さんの様子はいかがですか。

 医学部の方からは、「成績優秀で特待生になった」とか「頑張っている学生が多い」と聞いています。また入学ラインぎりぎりだった学生が、入学後の伸びしろが大きいという声もよく聞き、富士学院出身の学生に対する評価をいただいているのは大変嬉しく感じています。一方で、近年では大学において放校や留年が増加しており、入学時からモチベーションを継続させて国家試験合格まで導くことに苦労されているという話も聞きます。そのため、大学側から学生の受け入れ体制や育成方法について相談を受けることもあります。また、昭和医科大学に推薦型で合格した入学予定者を対象に行う入学前準備教育や、大学のオープンキャンパスで入試対策講座のご依頼をいただくなど、富士学院の知見や指導力がさまざまな場面で求められていることを嬉しく思います。

―本来の予備校の域を超えた活動のようです。

 それは、私たちの取り組みが未来の医療へとつながっていくと確信しているからです。富士学院は、「良医の育成」を目標に掲げ、「教え、育む」教育をモットーとしています。「将来、医師になる」という基軸のもと、学力だけでなく人間性も育んでいくことに強い使命感を持っています。それは予備校であっても必要なことであると、私達は思っています。

上皇陛下執刀医を務めた順天堂大学 天野篤特任教授による、医師になると言う自覚を
高めるための意識付け「自立講座」を「育む」教育の一環として毎年、各校舎で行っています。

―高校とも「校内医学部入試セミナー」を開催されるなど連携されていますね。

 これもすべて、「良医を育成する」という理念の一環で、これまでに全国で延べ400校以上の高校で行っています。ネット社会であっても、地域によっては医学部受験に関する情報が不足している現実もあります。また高校ではあらゆる学部の進路指導を担っており、医学部に特化した指導を行うのは容易ではありません。そのため、高校からの依頼でセミナーのほかにも、医学部志望の生徒を対象とした保護者会を実施したり、面接指導を行うなど、幅広いサポートを行っています。医学部は入試の変更点だけでも毎年、かなりの数があります。また、学費や生活費を全額支援してくれる大学があることを知らずに、「学費が高いから」と医学部をあきらめてしまう受験生も少なくありません。こうした受験情報の格差を縮めることは、より多くの良医が増えていくことにつながっていくと考えています。

卒院後も根強くつながる 富士OB会ネットワーク

2025年4月にオープンした「OB会専用サイト」。富士学院を卒院したOB会員のみが利用できる。

―予備校でOB会があるのもめずらしいです。

 医師・医大生で構成される「富士OB会」は、卒院後もできる限りの応援を続けたいという想いから18年前に発足し、2025年4月時点で約1,800名が登録、そのうち590名以上が医師として活躍しています。現在は、順天堂大学特任教授・天野篤先生を顧問に迎え、更なるサポートも行っています。2025年4月には「OB会専用サイト」が完成しました。医療業界を取り巻く環境が大きく変化する中で、OBたちが医師・医学生として縦横のつながりを持ち、直接情報交換を行えることは、OBたちにとっても大きなことであり、しいては医療業界全体の未来に貢献できると確信しています。また、天野先生には、医大生向けの講演会の開催や、全校舎で実施している「自立講座」を通じて、医師としての覚悟、責任、そして学びの姿勢について講演をいただいています。

 逆にいえば、その自覚と覚悟が固まれば、自分から必要なことをどんどん勉強していくようになります。「何となく」「親が医師だから」…といった中途半端な意識を変え、本気で医師を目指すようになるカリキュラムがあるからこそ、高い合格実績を維持できているのだと自負しています。

―全校舎に食堂があるのはなぜですか?

 きちんとした食事を提供しないと、食生活が偏り、体調だけでなくメンタル面にも影響があるからです。生徒には温かくておいしい栄養バランスの取れた食事をしっかりとってもらいたいとの強い思いで、正直運営は赤字ですが、ずっと続けています。

美味しさ、栄養面、安全性にこだわった専用食堂・生活面・健康面をしっかりサポートしています。

―最後にメッセージをいただけますか。

 これまで多くの生徒と関わってきて感じるのは、誰もがそれぞれに大きな可能性を持っているということです。しかし、最近は自己肯定感が低い生徒が増えてきています。富士学院では、学習面や生活面等において小さな成功体験を積み重ねることで、生徒が少しずつ自信をつけ、「生きる力」を養い、着実に成長していけるようサポートしています。合格のためには「成長」というキーワードは必須であり、各予備校がどのように生徒の内面的な成長を支えているのかを、ぜひよく見ていただきたいと思います。

※本記事は『日経ビジネス 特別版 SUMMER.2025〈メディカルストーリー 教育特別号〉(日経BP社)』に掲載されたものです。

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