医学部入試概況
2021.09.08
【ハンガリー国立大学】
医学でも英語は不可欠
海外だからこそ得られる環境がある
中学生で再生医療に興味を持ち、山中伸弥教授が「iPS細胞」でノーベル賞を受賞したことに感動して医師を志したという杉山竜生さん。現在、国立セゲド大学に通う杉山さんに、現地での学びや生活ぶりについて語ってもらった。
セゲド大学1年生 杉山 竜生 さん (山手学院高校出身)
――なぜハンガリー医科大学を志望しましたか。
最大の理由は、英語で医学を学べることです。そのほかにも、授業料全額免除・生活費等の援助を受けられるハンガリー政府奨学金の存在や、さまざまな国・人種・バックグラウンドのある優秀な留学生と出会えることです。
――平均的な1週間のスケジュールを教えてください。
平日は通常授業とその復習・予習・ミニテスト等があり、基本的に勉強と家事に時間を使うので、あまり遊べるような時間はつくれていません。週末は、その週の復習とMid-Term Oral ExamやEnd Semester Examに向けた勉強やサイクリングを楽しんでいます。
――今までで一番印象に残っている授業・実習は何ですか。
解剖学の実習です。人間の体の中身や臓器を自分の目で見た初めての経験でした。特に神経が自分の想像していた色や太さと異なっていたのを今でも鮮明に覚えています。人体を学問にしているということを改めて認識した瞬間でした。
――授業を理解したり、技術を身につけたりするために努力したことがあれば教えてください。
授業内容は当日のうちに習得するように全力を尽しているので、授業後はほぼ毎日スタディルームが閉まるまで勉強しています。インプットの必要があるときは、「書く・声に出して読む・その声をよく聞く」といった三感覚を使って勉強するようにしています。さらには、誰もいないときはスタディルームのホワイトボードを使って、ゼロから説明できるように知識のアウトプットもくり返しています。
また、私は高校のときに生物を選択しなかったので、予備コースのときはチューターの方に大変お世話になり、テストに出る重要な内容などもしっかりと教えていただきました。生物学の勉強では、チューターの制度を最大限に活用していました。
――将来どのような医師・研究者になりたいですか。
現在は、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)で再生医療の研究に携わることを目標にしています。将来的には人工血液の研究がしたいと考えています。
予備コースの同期たちと一緒にオーストリアのウィーンへ旅行して、国立歌劇場やザッハトルテ発祥のカフェ・ザッハへ行ったのが良い思い出と話す杉山さん(左から3番目)
――ハンガリー(セゲド)での生活はいかがですか。
セゲドは物価が安く、とても生活しやすいです。また、学生が多く、私の住んでいるアパートは入居者全員がセゲド大学の生徒です。賑やかさもありますが、ほどよく閑静な場所なので、勉強にも集中しやすい良い環境に恵まれていると感じています。
――ハンガリー国立大学医学部の魅力はどこにありますか。
一つ目は、やはり英語で医学を勉強できる環境と、それをサポートしてくれる存在です。世界共通語で医学を勉強できるうえに、卒業後に医師国家試験の受験資格を与えてくれる国はそこまで多いわけではありません。また、医学の研究では専門分野の論文を英語で読む必要が往々にしてあります。卒業後、日本で医師になったとしても英語で医学を勉強することは大きなメリットがあると私は思います。
二つ目は、ハンガリー政府奨学金の存在です。受給することができれば学費の全額免除と家賃・生活費の援助がもらえるような奨学金は稀かと思います。
三つ目は、さまざまな国からの優秀な留学生と出会えることです。多様な面で秀でている学生たちとのコミュニケーションや交流による相乗効果は、海外医科大学だからこそだと思います。
――これから医学部をめざす後輩へメッセージをお願いします。
日本でも海外でも医学部は勉強・進級ともに等しく難しいと思います。想像している大学生としての生活とはかけ離れたものになるかもしれませんが、そこで学ぶことのできる知識、得ることのできる技術・資格は医学部以外では得ることのできない貴重なものばかりです。同じ医学を志す者として、みなさんをお待ちしております。
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